誰でもいいって訳じゃない

赤西とSMAP、その他J事務所のつまみ食い

Jin Akanishi LIVE TOUR 2015-Me- ~音楽はおもちゃなんかじゃなかった~

赤西くんに会ってきました。


書きたいことが多すぎてまとめられるか不安。でもこのツアーはどうしても残しておきたいから、どんだけ時間がかかってもいいから書き切ろうと思ってます。すげー長くなることが予想されるので、よっぽど暇な人が暇な時に読む用です。

そんじゃネタバレしまくりのレポとも呼べない何かを始めよう!!!



1.What Happend
17:30開演予定が5分押しの17:35にスタート。客電が落ち、白いサイリウムが一斉に揺れ歓声が湧いた。いよいよ始まる。去年までのツアーは会場がライブハウスだったのでオールスタンディング、サイリウムもグッズとして一応あったけど持たない人も多かったから、この景色を見たのが久し振りだった。オープニングは、赤西くんのアシスタント?秘書?である"BiBi"がスクリーンで今回のツアーのコンセプトである"拡張現実"について教えてくれます。この辺は今回の横須賀から追加された新しいグッズのパンフレットに細かく書いてるので省略。ざっくり言えば、設定は今から1000年後の未来。音楽という一つの文化が衰退し、世界はマザーコンピュータに支配されていた。そこに生きるJinはある日マザーコンピュータから音楽を聴くことを勧められる。「オンガクってなに?」違法なプログラムをアップデートし、Jinは初めて音楽に触れる。
一曲目は今回のツアータイトルと同じ、アルバム"Me"からの選曲。What Happened="何が起こったのか"。音楽が無くなるなんて、何が起こったのか。上半身しかなく、しかもその半分が金属の部品で作られ、檻にいくつもの鎖で繋がれた近未来のJin。"僕の心を返して"と歌い、腕だけになっても鍵盤を叩き音楽を奏でる。錯視だとは分かっていても、その演出はインパクトが強すぎて一気にその世界観に引き込まれる。ターミネーターやアイアンマンのようにヒトの体が機械化され、アナログとデジタルの境が曖昧になった世界。ヒトはヒトとしての自我や思考のみならず、肉体までも手放してしまう時代が来るのかもしれない。その一歩が、音楽の衰退から始まっているのかもしれない。でもきっと、2015年の現代を生きる赤西くんは何があっても歌うことをやめないだろうと強く思った。身体が半分無くなろうと、例え腕だけになろうと、きっとこの人は音楽をやめない。音楽に対する強いこだわりと愛情を感じた。

2.Go Gitt'er
腕だけで鍵盤を叩いていたかと思えば今度は両腕を拘束され、マスクをつけられた姿で登場。囚人のようなその姿のまま、身体全体を使って歌い躍る。躍ることが罪になる時代が来たとしても、身体を自由に動かせなくなる時代が来たとしても、それでもやっぱり彼は躍るだろう。全身で音楽を表現するだろう。誰も彼からは音楽を奪えない。違法なアップデートで手に入れた音楽を、二度と手放すまいとする姿に見えた。近未来のSFチックな世界から現代へと遡るかのような演出。あーもう!かっこいい!!!

3.Dayum
拘束着を脱ぎ捨て一気にラフな衣装へと変わればアップテンポな曲へと変わる。ガンガンに踊りながらお客さんたちのCLAPを煽る。会場の空気が一変して熱が一気に高まっていく。ここからはもうただ彼の音楽に身を任せて身体を揺らし、手を叩き、口ずさむだけだった。

4.We the party
この曲もまたテンポが早めでCLAPでノリノリになれる曲だ。早口なラップ詞もあってさらにヒートアップする。会場が大きなCLUBになったかのような盛り上がり。たくさんの人たちがただ彼の音楽に夢中になり腕を降り、手を叩く光景を見て、あぁこの景色が幸せなんだと思った。

5.Baby
ここで一旦本人が捌け、スクリーンにはBiBiが登場。音楽を作る要素の中で欠かせない言葉。この世界では2015年現在約6500もの言語が使われているという。人々は旅をして他の文化に触れ、他の言語を知り、音楽をミックスさせて新しい音楽を作る。まさに赤西くんの活動そのものだ。言語の設定を変更します、とBiBiが言えば選ばれたのは"Japanese"。そして始まったのが日本語詞の美しいBaby。
"ねえそれでも会いたくて 近くにいてよ胸が 嘘みたいに苦しい"
"さよなら思うたびに 君で胸が溢れて 嘘みたいに苦しいよ"
"いきなり抱きしめて いきなり離さないでlove だからもっとちゃんと愛してよBaby"
大きなスクリーンに歌詞を表示させながら切々と歌い上げる姿は、泣きたくなるくらい美しかった。胸が締め付けられるような声で歌うから、もっと愛してよと言われている気になってしまった。こんな歌を作れちゃう彼にはどんなに繊細な感情があるんだろうか。

6.Mi Amor
さっきのBiBiの説明を聞いて、この世界に6500もの言語がある中、赤西くんが日本語で歌ってくれるのはものすごい確率で、これから先日本語や英語だけじゃなくて、他の言語でもきっと曲を作ったりするのかなーなんてぼんやりと思っていた。その通り、この曲はスペイン語のタイトルだ。上半身裸でレーザー光のギターを抱え、サビに歌詞がないという新しい音楽の形をまた示してくれた。さっきまでの繊細で切ない雰囲気をまた塗り替えていく。

7.Lucky
来た、可愛い赤西くんが見れる曲。女の子のダンサーさんが持ってくるピンクやオレンジのハットを次々と被りながら照明も合わせて同じ色へ変わっていくので見ていてすごく可愛いし、Happyな気分になれる。ピンクからオレンジのハットへ変わる時に、髪の毛をクシャクシャってしてからオレンジハットを持ってるお姉さんの方へ頭を差し出して被せてもらってたのが可愛かった。サビ部分の振り付けが可愛くて人気だけど、今回はなんとなくしかやってくれなかった風に見えて、それがちょっと心残り。ファンやスタッフさんも合わせてラキラキするあの空間は間違いなく幸せで満たされている。"神様ありがとう I love you. Maybe 僕はSpecial one"と歌う赤西くんが愛おしい。

8.Good Time
ファンとの掛け合いを楽しむ曲。揺れるサイリウムの白い光がまるで波みたいに見えて、本当に綺麗だった。交互に歌うのも気持ち良くて、こんなに楽しいんだよ!ってことを伝えたくて仕方がなかった。ねえ赤西くん、楽しんでる?私はすごく楽しいよ!って。楽しませてもらってるなんて感覚はまるでなくて、彼の作った音楽を愛していてこの空間が幸せで、嬉しくて最高にHappyなことを分かって欲しかった。そんなことをライブ中に思ったのは初めてで、受動的だった今までのライブの楽しみ方とはまるで違った。ステージと客席という境界線が消えた瞬間だったのかな。参加しているというよりもっと踏み込んだ関係。対等というか、こっちからも何かを発信したいと思わせる近さだったのかな。とにかく不思議だった。

MC
覚えていることを箇条書きで。
・今日もたくさんの方に来ていただいて…。若い方から、若いとは言えない方までね。ありがとうございます。

・たくさんのおっぱいと、少しのお○んちんが…見えております。\えー!?/見えてますよ。\変態!/変態じゃありません。\正常!(男の人の声)/そう、男の人は分かってくれてる。正常です。

・横須賀ってさぁ…神奈川だよね?\ザワザワ…(え、そこから?)/え、違うの?!合ってるよね?俺初めて来た、横須賀まで。葉山って近いよね?なんか、お金持ちの人が別荘とかあるって…聞きました。僕もそうなれるように…これから頑張っていきたいなと思ってます。

・10月に沖縄でファンクラブ限定の…\なにやるのー?/今俺が喋ってんだよ!大事な告知してんだよ!我慢我慢。あとちょっと我慢。あのー…なんだっけ?ほら!こういうことになるから!\沖縄ー!/そうそう、沖縄ね。(この後話しながらゆっくりステージの上を歩いて、セットの階段登って降りてってしてて散歩してるみたいで可愛かった!!)

・今回のツアーのコンセプトが拡張現実って言って…分かります?\わかんなーい!/だよねー俺みたいに頭良くないとわかんないよねー。\えー?/高校卒業してね、ちゃんと大学行って…卒業してますから。…まぁ中卒なんですけどねw

・(拡張現実の説明し終わって)…分かりました?これ公演初日に説明した時、あ俺ダメだって思って。文字にしちゃえと。思って今回から新しくパンフレット作って、文字で説明してます。この説明毎回してんだけどさ、うまくいく日といかない日があって。今日は75点。

・今回のグッズ可愛くない?!あのさ、なんだっけ、シュシュ?(このシュシュの言い方がめっちゃ可愛かった)シュシュってみんなするの?\するー!/みんなするの?(二回聞いてた)俺知らなくて、シュシュ。\えー?!/スタッフさんにさ「グッズでシュシュとかどうですか?」って言われた時に、何いきなり擬音使ってんの?って思って。\ww(クソッ…可愛いいいいいいいいいぃぃぃぃ!!!!)/男子はほとんど知らないよ。\知らない(男性のお客さん)/ほら、知らないって。俺知ってんだよ、シュシュ。(得意気)→終演後、あまりの可愛さにシュシュ買いに行ったら、皆さんシュシュ買ってた。皆思うことは同じだった。

・あとカップね!スター○ックスのパクリじゃないタンブラー。これは俺が欲しくて作ってもらったんだけど…(持ってるカップの柄を見せようとカメラに映すが、中のコーラのせいで黒い柄がわからない)\www/…(カップについた結露を手で拭いてもう一度見せようとするけどやっぱり分からない)…これ飲む時は、皆さんミルク入れて。ミルクか水入れて宣伝してください。

・(カップの中身を一口飲んで)これ入ってない。ねえ、ウォッカ入ってないよ!(舞台袖に持って行くとケイボが受け取る)ウォッカっていう、飲料水です。\えー?ww/あのー、飲んで喉を開かせようって思って。あとね、飲んだら上手く話せたような気になる。上手く話せたような気になるっていう、ね。(二回言ってた)

・(会場に来ているお客さんで10代の人ー?20代の人ー?と挙手でアンケート。)そう、最近10代の人が多くなってきてて。テレビとか最近出てないのに…。\出て!/テレビ好きじゃないんだもん。だって普段ほとんど見ないし。この前たまたま、たまたまロンドンハーツっていう番組見てて、吉村くんって人と友達になりたいって言ったら、知人を介して会えて、この前のライブにも来てくれたっていう…。だから、これからはちゃんと人と会うようにしようって思って。いや、普段人と会わないって訳じゃなくて、電波の上で。\ザワザワ!(え、何かテレビ出るの?!)/あ、別になんも決まってないんだけど…。テレビ好きじゃないから、Youtubeとかで。\えー?/いいじゃん!

・今日って土曜日だよね?だから10代の人たちも沢山いるのか。学校休みでしょ?\夏休みー!/なつ、夏休みか!!!(すごいいいリアクションだったw)あー、そっか。だから月曜日とかでも10代の人が来てるんだ…。月曜日とかね、他の公演の日でも来てくれてるんですよ、10代の方に。

・来年、再来年、横須賀に帰ってくる時は、もっとお喋りが上手になって帰って来ます。

ざっとこんな感じで話してたかな。抜けてる記憶もありそう。ソロで初めてのJUSTJINツアーの時には、MCが苦手すぎてヤダって言ったのに、スタッフさんに3分は一人で喋りなさい!と言われステージ上のスクリーンに3分間のカウントダウンのタイマーを表示された人とは思えないくらいの上達っぷり…。しかもその3分ももたなくて、ハイ音!って歌い出そうとしたけどスタッフが頑なに曲流してくれなくて困り果ててたのに…。一人で喋れるようになって、ファンもそれを助けるようにレスポンスしてて、すごくいいなって思いました。今の感じのままでいて欲しい。あんまり変なこと叫ぶファンがいると、こういうMCはやってくれなくなっちゃうと思うから。この距離感を保って欲しいなぁと思ってます。

9.Let Me Talk To U
花びらが舞う映像と、美しく躍る花仮面をつけたダンサーさんにしか目がいかなかったです。ごめんなさい。MCの可愛さに打ちひしがれてて記憶が曖昧とも言う。

10.Baby Girl
華やかでカラフルだった雰囲気からガラッと変わって、モノクロの演出だった気がする。スクリーンには女性ダンサーのシルエットが映ってて、赤西くんはその前で一緒に躍るんだけど、途中からスクリーンが上がってシルエットと同じダンサーさんが登場。二次元と三次元の融合というか、光と影の演出というか。友&仁の時にもこんな演出してたから、好きなんだろうなと思う。私も好き。

11.Miss California
この曲がトロッコだった。運良くわりと近くを通ってくれて、逆光だったけどこちらを向いてくれてたので、なんかもう感無量だった。近い!はああああああ!じんくんだ!!じんくんだ!!!!!!みたいな。伝わる?表情が肉眼で分かる距離にいるっていうのが久々すぎてもうなんかキャーッて言った気もするし、手も振った気がする。でもサビになるとガンガンに盛り上がってサイリウム振り回してた。どんなにファンが手を延ばしても、自分からは触りにいかないし手も振らなかったのを覚えてる。それがすごく平等で、正しいファンサだなと思った。最後トロッコ降りて通路歩いてる時は横から引っ張られまくってほぼ歌えず、ネクタイ掴まれてダラーンてしてるわ、白シャツはクタクタだわでエロスがすごかった。色気だだ漏れだった。たまらんです。美味しいです。しかもずっとそのあとネクタイだらーんのままだったからなんかもうヤバかった。(語彙力)

12.Hey What's Up?
定番曲ともなったこれをCDとは全く違うアレンジでやってくれたのが嬉しかった。やっぱりライブに来てる以上、CD音源とは違ったものを楽しみたいっていうのはあって。普段聴けないものを聞きたい。DJブース(に見えるセット)に乗っかりガンガン客を煽る姿は赤西くんらしくてかっこよかった。あの変なスーツも可愛かった。

この曲の振りが好き!可愛い!ちょっとセクシー!ダンサーさんと横一列に並んで躍るのが迫力あって、ずっと見ていたかった。

14.OohLala
この曲はごめん、記憶ない。女性のダンサーさんがセクシーだった記憶はなんとなくある。あの、赤西くんのライブで何が困るかって、赤西くんが見たい。でもダンサーさんも上手いから目がいっちゃう。っていう視野の限界ね。マルチアングル!俺の目マルチアングルにならないな!右目と左目で別のもの同時進行で見たい!ってなる。DVD化はよ。

15.slow
照明の演出がすごかった。光を操ってみたり光を纏ってみたり。それどうなってんの?って仕組みが分からないけど、でもそんなことどうでもよくなるくらい綺麗だった。ツアーとして全国のいろんな会場を回ってきてて、その設備ごとに出来る演出も変わるだろうし見え方も違ってくるだろうけど、どの会場のレポを見ても「ライティングが狂気の沙汰」と書いてあるから、クオリティを保ってるのがすごい。…もしかして魔法なんじゃない?あの光とのシンクロ具合は、もはや魔法としか思えないくらいの自由自在加減だった。そのくらいすごかったです。伝われ。

16.Sun Burns Down
イントロ流れた瞬間、一番湧くのはこれだと思う。テンションが嫌でも上がるイントロ。でも全曲通してそうだったんだけど、マイクのエフェクト効きすぎてた気がして。せっかくの赤西くんの生歌なのに、キンキンしすぎててほぼ聞き取りづらかったから、この曲の迫力みたいなものがいまいち掴み取れなかった感はある。赤西くんの声って何もしないのが一番力強くて優しくて切ないから、なるべくならあんまりエフェクト掛け過ぎないのがいいです。という要望。

17.Summer Loving
これも高音のサビの歌声が綺麗なんだけど、エフェクトがry。夏らしくて爽やかな曲でCLAPもあるしでラストに向けての盛り上がりが最高でした。ダンサーさんも生き生きとしてて、めっちゃ笑顔で、あー楽しんでるんだなって分かって嬉しかった。

18.Lionheart
最後にこれ持ってきたとか泣く以外ない。でもエフェry。ほんとに!この曲だけは!!シンプルに聴きたかったよ!!!ピアノとじんちゃんの高め歌声でピースフルでビューティフルな世界だったのに!!!!!どの会場でもあんな聴こえ方だったん?むしろ俺の耳がおかしかったん???横須賀のホールが奥行きはないけど高さがある(あ、そういえばMCで5階まであるって聞いて「はぁー!すげぇなぁ!」っておじいちゃんみたいなリアクションしてた)から、響かせようとするとああなるのかしら…。難しいことはわかんないけど、サウンドチェックしてのあの音響なら文句は言いませぬ…。

19.アイナルホウエ
正しくはアンコールという位置づけだったらしい、この曲。「あー、赤西くんかっこよかった…やっぱりすごいわ…」という穏やかで尊い気持ちでいたら、"君のステージでは君がスター"と歌われるから、もうなんかすごい。赤西くんにそう言われちゃったらやるしかないなってなる。赤西くんが手を叩いて、愛を歌って"皆さんこちらの方へ"と呼ぶから、本当に自分にも何かが出来る気がして、成し遂げられる気がして、頑張ろうって思える。よくあるじゃないですか、コンサート終わって「元気もらったから、明日から仕事(勉強)頑張ろう♡」みたいな。私あれ全然わかんなくて。だってライブ中が楽しいならずっとライブを見ていたいし、現実に戻ったら辛いからずっと脳内でライブ再生して現実逃避するもん。ライブ楽しかった→だから明日から仕事(学校)頑張ろう!とはエネルギーが変換されない人間だったんです。でも今回は本当に素直に「明日から頑張ろう」って思えた。これって私的にはすごいことで、だから忘れないようにこれを書きたかったんだよね。たぶん赤西くんは、自分がものすごい才能があってその上に積み重ねた経験と努力があって、それを発揮できる場にいる特別な存在だってことに良い意味であんまり気付いてない気がする。ただ純粋に、他の人にも同じように輝いて欲しくて、輝けるはずだと信じてて、目の前にいるたくさんのファンの一人一人が持ってるはずの魅力とか可能性とかを誰よりキラキラした目で期待してる。だから、その期待に応えたくなるんだよね。この人のファンとして、誇れる人間になりたいっていう願望が出てくる。それが頑張る原動力になる。そういう力をくれたラストの一曲でした。

脱線しまくったレポだけど、まだ書きたいことの1/4も書けてないっていう恐怖ね。自己満だから書きたいように書くけど。

一番書きたかったのは、今回のツアーコンセプトのこと。本人が説明してたけど、今はいろいろ便利になって、でもその便利さが裏目に出てることもある。例えば音楽業界。わざわざCDを買わなくても、データをDLすれば聴ける時代になった。それはつまり誰でも気軽に音楽を発信したり、受信したり出来るってことだけど、赤西くんみたいなアーティストという存在価値は変わっていく。近い将来、1000年後にはアーティストという存在はなくなっているかもしれない。むしろ音楽という文化そのものがなくなっているかもしれない。っていうところに着目して作ったライブだったんですが、確かに音楽は娯楽だ。娯楽とは単に生命を維持するためには必要のない飾りのようなもので、別に音楽を聴かなくたってヒトは呼吸するし心臓も動く。じゃあなぜ人は音楽を聴き、音楽を作るのか。それは、感情を表現するためだと思う。恋をしたら誰かを想う曲を聴き、失恋すれば悲しみに浸るために曲を聴く。感情は音楽にシンクロし、思考を支配する。落ち込んだ時に明るい曲を聴けばまた前を向いたり、そんな考え方もあるのかと新たな視野をくれたりする。きっと誰でも心に残る一曲があるだろうし、この曲を聴くとあの頃を思い出す、なんてこともあるだろう。音楽は感情や思考を形成し、その人の輪郭を縁取る。どんな音楽が好きか、どんなミュージシャンが好きかって、その人の個性や性格やアイデンティティとしてすごく大切な部分だと思う。その人がその人と成るための大事な一要素である音楽。それが今なくなってしまうかもしれない、瀬戸際にいる。そのことに真摯に向き合い、自分にとっての音楽とはなんなのかを表現したのが、今回の"Me"だった。

これまでの赤西くんを例えるなら、やっぱり私は"音楽で遊ぶ無邪気な子供"だと思う。前回の記事にも書いたとおり、いつまでも飽きることなく音をいじり、形を変え、気にいるものを作ろうとする姿をずっと見て来た。でも今回の赤西くんは違った。こんな言い方は失礼だと思うけど、ぐっと大人になっていた。自分の好きな物、やりたいことをただ提示し表現するだけではなくて、そこから更に発展させて「君は?」と問いかけてくる何かがあった。「僕はこうやって輝くけど、君は?」と。

だんだん何が言いたいのかわからなくなってきたので、この辺にしておこうと思う。言いたいことの半分も言えていないけど、私も大概語彙力がないので諦めよう。赤西くんがより一層好きになったことは間違いない。そして今がものすごく幸せなことも。もっとたくさんの人に赤西くんを知って欲しいと思ったことも。彼の作る世界は、こんなにもたくさんの感情を連れてくるよ。彼の作る世界はこんなにも素敵なんだよ。それを知って欲しい。どうしたら伝わるんだろう。どうしたらわかってくれる?と、終演後リアルに頭を抱えてしまった。

どうかどうか、一人でも多くの人に赤西くんの魅力が伝わりますように。それだけを願って。